安全で確実な遺言方式!~公正証書遺言について知ろう

安全で確実な遺言方式!~公正証書遺言について知ろう

遺言には種類がある

遺言にはいくつか種類がありますが、実際に書くとなったらほとんどの人が「自筆証書遺言」「公正証書遺言」のどちらかを選択します。
この記事では、そのうちの「公正証書遺言」の特徴について説明します。

 遺言方式については以下の記事でも紹介しています。
      ↓   ↓   ↓
遺言にも種類がある!~遺言方式

 

公正証書遺言とは?

公正証書遺言とは、公証人に作成してもらう遺言のことです。
公証人とは、検事や判事等の法律事務に長く従事していた人の中から法務省が公証人に任命した人です。つまり、公証人とは法律のプロであり、中立・公正な立場で職務を執行する人なのです。
そして、その公証人がいる場所が公証役場です。公証人は全国に約500人おり、公証役場は全国に約300か所あります。

公正証書遺言は、遺言者(または代理人等)が公証人と相談して内容を決め、公証人が遺言書を作成します。公証人が内容を確認しているので、法律的要件が不足している・不備があるといった理由で遺言書が無効になる可能性が非常に低くなります。
また、作成後は遺言者に正本が交付される他、公証役場に原本が保存されます。その為、遺言書を作成後に偽造・変造されたり紛失してしまうという恐れがなくなります。

以上のような理由から、一般的に「公正証書遺言は法的に安全で確実な方式である」と言われます。

一方で、公正証書遺言を作成するにはどうしても自分以外の人に内容を知られてしまうので、死後まで遺言内容を秘密にしておくことは出来ないこと、公証役場での作成に費用がかかることがデメリットと言えます。

公正証書遺言の作り方①~作成前の準備

公正証書遺言を作りたいと思ったら、出来る範囲であらかじめ遺言内容を整理しておくことが望ましいです。
自分の相続人は誰なのか、財産を残したい人は自分とどういう関係の人なのか、自分が所有する財産にはどのようなものがあるのか、といったことです。
さらに、可能であればそれを証明する書類を用意しておくといいでしょう。例えば、遺言者と相続人の続柄が分かる戸籍謄本、遺言書に記載する不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書などです。
もし、こういったことがよく分からない、どのように集めればいいのか分からないという場合は、最初に公証人に相談することも出来ます。
公証人に相談するには、予約が必要です。公証役場に電話をして、日程を調整して予約を入れます。この事前相談は無料です。
公証人に相談しながら、具体的にどのような内容の遺言にするのか決めていきます。
遺言者が集めなくてはならない書類がある場合は、公証人に指示されます。
内容が決まったら、公証役場で遺言書を作成する日を決めて予約をします。
公証役場での遺言書の作成には、遺言者本人、公証人の他に、証人が2人以上必要になります。
証人は相続人等の利害関係者はなれない決まりがあります。自分で友人や知り合いに頼むことが出来れば、それで問題ありませんが、自分で証人を用意できない場合は、公証役場で用意してもらうことも出来ます。ただし、費用がかかります。

公正証書遺言の作り方②~作成当日

予約をした公正証書遺言作成日にはどのようなことを行うのでしょうか。

遺言者、公証人、証人2名以上が揃ったら、公証人がまず遺言者に簡単な質問をします。内容は、氏名・生年月日・住所・職業などの基本的な事です。この質問によって遺言者の本人確認を行います。
さらに、証人にも同様に氏名や生年月日等を質問して本人確認を行います。
次に、公証人が遺言者に遺言の内容について簡単な質問をします。例えば、「今回はどなたに財産を残したいと考えていますか?」「〇〇ということを伺っていますが、それで間違いありませんか?」といった感じです。こういったやり取りの中で、遺言者の遺言意思の確認や、遺言能力があるかどうかの確認を行います。
ここまでで特に問題がなければ、公証人が遺言者と証人に、事前に用意しておいた遺言書を配布し、公証人が内容を読み聞かせます。
その後、遺言者と証人が内容が間違いないことを承認した後、公正証書遺言に各自が署名し、押印します。
この時に、もしも遺言者が署名出来ない事情がある場合は、公証人がその事由を付記して署名に代えることが出来ます。
最後に、公証人が民法所定の方式に従って作成したものであることを付記し、これに署名して押印します。
これで公正証書遺言は完成です。

その後、公証役場から遺言者に「正本」と「謄本」が交付されます。この「正本」と「謄本」に法的効果の違いはありません。
原本は、公証役場に保管されます。

公証役場に作成手数料を支払ったら、終了となります。

公正証書遺言の作成にはいくらかかる?

公正証書作成の手数料は、公証人手数料令によって定められているので、公証人や公証役場ごとに異なるということはありません。

公証役場に支払う公正証書遺言のン作成手数料は、まず「相続人(受遺者)ごと」に「目的価額」(その行為によって得られる一方の利益、相手から見ればその行為により負担する不利益ないし義務を金銭で評価したもの)を算出します。そして、その合計額が手数料の額となります。
例えば、目的の価額が「500万円を超え1000万円以下の場合は1万7000円」、「1000万円を超え3000万円以下の場合は2万3000円」・・・といったように決められます。

その他、遺言の場合は遺言加算が発生し、目的価額の合計額が1億円までの場合は1万1000円加算されます。
また、「祭祀の主催者の指定」を記載すると1万1000円加算されます。
さらに、交付手数料も正本・謄本の交付1通につき250円かかります。
公正証書遺言の原本の保管料は無料です。

最終的にこれらの額全てを計算し、合計額を遺言作成日当日に支払うことになります。

料金の計算は公証役場が行います。