遺言に書けることは決まっている!~遺言事項について

遺言に書けることは決まっている!~遺言事項について

遺言事項とは?

遺言は好きな内容を書くことが出来るわけではなく、書くことが出来ることが法律で決まっています。これ「遺言事項」と言います。
例えば、葬式の方法、婚姻や縁組の指定、家族間の介護や扶養の方法などを遺言に書いたとしても、法的な効力はありません。
遺言事項とは、次のようなものがあります。

【法定相続】

  1. 推定相続人の廃除および廃除の取り消し
  2. 相続分の指定
  3. 遺産分割の指定または禁止
  4. 遺産分割の際の担保責任に関する別段の定め

【財産処分】

  1. 包括遺贈・特定遺贈
    (以下の事項についての別段の定め)
  2. 受遺者の相続人の承認・放棄
  3. 遺言効力発生前の受遺者の死亡
  4. 受遺者の果実取得権
  5. 遺贈の無効または執行の場合における目的財産の帰属
  6. 相続財産に属しない権利の遺贈における遺贈義務者の責任
  7. 受遺者の負担付遺贈の放棄
  8. 負担付遺贈の受遺者の免責

【遺言の執行・撤回】

  1. 遺言執行者の指定
    (以下のじこうについての別段の定め)
  2. 特定財産に関する遺言の執行
  3. 遺言執行者の復任権
  4. 共同遺言執行者
  5. 遺言執行者の報酬
  6. 遺言の撤回

【遺留分】

  1. 目的物の価額による遺贈・贈与の負担に関する別段の定め

【家族関係】

  1. 遺言の認知
  2. 未成年後見人
  3. 未成年後見監督人の指定

【法文には定めがないが、遺言によって出来ると解釈されている事項】

  1. 祭祀主催者の指定
  2. 特別受益の餅戻しの免除

【民法以外の法律で定められているもの】

  1. 一般財団法人の設立
  2. 信託の設定
  3. 保険金受取人の変更

 

感謝の気持ちを遺言に書いたらダメ?

遺言事項に定められていない事を書いても法的効力はないと書きましたが、では遺言事項以外の事を書いたらその遺言書は無効になってしまうのでしょうか?
遺言事項ではない内容を書いたとしても、その部分に「法的効力がない」というだけで、遺言書自体の有効性には影響しません。
遺言書を書くにあたり、周囲の人への今までの感謝の気持ちや、遺訓などを残したいと希望する人も多いでしょう。
そういった場合には「付言」というかたちで遺言書に書くことが出来ます。
「付言」というのは法的効力はないけれど、書いておいた方が良いことです。先ほど紹介したような、周囲の人への感謝の気持ちやメッセージを残すことで、遺言者の気持ちを整理することに役に立ちます。
また、特定の相続人が他の相続人と比べて多く財産を受け取る場合、その理由を書いて理解してもらうことで、相続人間の紛争を未然に防ぐといった効果も期待できます。例えば、長男・長女よりも介護をしてくれた次女に多く遺産を残したい…という時に、付言に「次女は私の身の回りの世話を献身的にしてくれています。そこで、感謝の気持ちをこめて次女には多めに遺産を相続してもらいたいと思います。私の死後、この遺言が速やかに執行されて、家族が協力し、助け合い、幸せな人生を送ってくれることを願っています。」といった内容を書いて気持ちを伝えることが出来ます。