海外に子どもがいる~子の呼び寄せについて解説!

海外に子どもがいる~子の呼び寄せについて解説!

日本にいる外国人の方の中には、色々事情により子どもと別々に生活している方がたくさんいます。
本国にいる子どもを、日本に呼び寄せて一緒に暮らしたい場合、どんな手続きが必要なのでしょうか?
この記事では、子どもを日本に呼び寄せる場合のビザ(在留資格)について解説します。


子の呼び寄せは、親のビザ(在留資格)によって手続きが変わる!

本国にいる子どもを日本に呼ぶのには、いくつか方法があります。
現在日本にいる親の身分や、親の持っているビザによって、子どもが取得すべきビザが変わるのです。
この記事では、次の①~⑤の場合について説明していきます。

①親が日本人で、呼び寄せる子が日本人の子として出生した者に該当する場合

②親が技術・人文知識・国際業務ビザや技術ビザ、経営・管理ビザなどの就労ビザで在留している場合

③親が永住者ビザで在留している場合

④親が定住者ビザで在留している場合

⑤親が配偶者ビザ(日本人の配偶者等)で在留している場合

ケース①

親が日本人の場合

 

親が日本人の場合は、子どものビザは「日本人の配偶者等」になります。子どもが生まれた時に、父親か母親が日本国籍をもっていれば該当します。子どもが生まれた後で、帰化などにより日本国籍を取得した場合は該当しませんので、注意してください。
また、特別養子は含まれますが、普通養子は含まれません。
生まれた場所は問われませんので、海外で出産していても、日本で出産していても大丈夫です。

日本人の配偶者等で呼び寄せる場合は、子どもが日本人の親の扶養を受けることを必ずしも必要としません。
その為、例えば日本人夫が無職で、外国人妻が働いて家族を養っている場合であっても、要件を満たします。

申請する際は、日本人の子どもであることの証明として親の戸籍謄本又は除籍謄本、子の出生証明書などを提出します。

 

ケース②

親が就労ビザで在留している場合

 

親が働くためのビザで在留している場合は、子どものビザは「家族滞在」になります。
この「子ども」には普通養子も含まれます。
「家族滞在」は、一定の在留資格をもって日本に在留する外国人の扶養家族を受け入れるためのものです。そのため、自分で働いて自立して生活するような人は当てはまりません。呼び寄せる子どもを、親が扶養する必要があります。扶養を受けていることが条件なので、原則的に親と子どもは同居しなくてはなりません。審査では、親が子供を扶養するだけの経済力があるかどうかという点も見られます。

呼び寄せる子どもの年齢が高いと、「自分で働いて生活するのではないか?」と考えられることから、不許可になる可能性が高くなります。
しかし、例え成人している子どもであっても、学生で、親の扶養を受けている方もいます。そういった場合は「家族滞在」で申請することが出来ます。

子どもが就職し、自分ひとりで生活出来るようになった場合などは「家族滞在」から他のビザへ変更する必要があります。アルバイト程度であれば、資格外活動許可の範囲内であればすることが出来ます。(資格外活動許可の手続きは別途必要です。)

 

ケース③

親が永住者ビザで在留している場合

 

親が永住者ビザで在留している場合は、子どものビザは「永住者の配偶者等」「定住者」になります。

永住者の子どもとして日本で生まれ、その後引き続き日本に在留する場合は、「永住者の配偶者等」です。
永住者の子どもとして海外で生まれた場合、もしくは日本で生まれた後引き続き日本に在留しない場合は、「定住者」です。

この場合の「定住者」に該当するのは、永住者ビザを持つ親の扶養を受けて生活する、未成年で未婚の実子に限られます。

ちなみに、就労ビザで在留していた外国人が、永住ビザを取得した場合、永住許可以前からその方の扶養を受けて生活している未婚・未成年の実子は、「家族滞在」から「定住者」に在留資格を変更することが出来ます。

 

ケース④

親が定住者ビザで在留している場合

 

親が定住者ビザで在留している場合は、子どものビザは「定住者」です。

 

ケース⑤

親が配偶者ビザで在留している場合

 

親が配偶者ビザ(日本人の配偶者等ビザ)で在留している場合は、子どものビザは「定住者」になります。
例えば、親が日本人と再婚し、「日本人の配偶者等」で在留しており、本国から前配偶者との間に生まれた子を呼び寄せる場合などが当てはまります。

 

「定住者」で子どもを呼び寄せる場合のポイント!

定住者で子どもを呼び寄せる場合、ポイントがいくつかあります。

【子どもが親の扶養を受けて生活すること】

子どもが自分で働いて生計をたてることが出来る場合など、親の扶養を受けると認められない場合は条件を満たしません。
また、親に子どもを扶養するだけの能力が無いと判断されると不許可になってしまいます。扶養している人数が多いと、それだけ求められる収入や資産も多くなります。

【未成年で未婚の実子であること】

未成年の考え方は、日本の成人年齢(18歳)が基準となっています。
しかし、例え18歳未満であっても、年齢が高くなればなるほど、許可の確率は低くなります。

【今までの養育経緯を説明すること】

子どもを呼び寄せるということは、それまで誰かが子どもの面倒をみていたということです。
今まで誰が子どもの世話をしていたのか、なぜ今、子どもを呼び寄せようと思ったのかを説明しなくてはなりません。

【日本に来てからの生活について説明すること】

日本に子どもを呼び寄せても、急な環境の変化や言葉の壁につまづき、学校などへ行けなくなったり、帰国してしまったりする場合があります。
そういったことを避ける為に、日本へ呼ぶ前にしっかりと子どもと話し合い、準備をする必要があります。
審査においても、来日後にどのような生活設計をしているのか、学校の受け入れ態勢はどのようになっているのか、日本に来るためにどのような準備をしたのか(日本語の通信教育を受けた、短期滞在で複数回日本に来て来日後の生活がイメージできるようにした、など)といったことがみられます。

 


子どもを呼び寄せることが出来ないのはどんな時?

親が「特定技能1号」、「技能実習」、「研修」で在留している場合は、子どもを呼び寄せることは認められません。

また、定住者で申請しようとした場合に、子どもが成人していたり、経済的に自立している場合は要件を満たさないので不許可となります。その場合は、就労ビザや留学ビザなど別のビザを取得して入国する必要があります。


家族みんなが笑顔になるために!

ここまで子どもを呼び寄せる場合のビザについて解説してきました。
やむを得ない事情があるとはいえ、親子が離れて暮らすことは、親にとっても子どもにとっても辛いことです。
家族みんなで笑顔で暮らせるように、どのビザの申請が必要なのか、その要件とは何なのかを良く調べ、しっかりと準備をして申請にのぞみましょう!

 

本国からの子の呼び寄せについてのお問合せは、当事務所へどうぞ!
お客様一人一人に寄り添った対応を心がけています。

北野早紀行政書士事務所
行政書士 北野早紀
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