外国にいる親の呼び寄せ~特定活動ビザ(老親扶養)について解説!
日本で生活をしている外国人で、本国に高齢の親がいて心配だという方も多いかと思います。
親を日本に呼び寄せ、物理的に近い距離で生活することが出来たら安心ですよね。
この記事では、そういった外国で暮らしている親の呼び寄せについて解説します。
親を呼び寄せる為のビザ(在留資格)はある?
親が日本に来るには、まず短期滞在ビザで入国するという方法があります。ただし、これは長期間の滞在が目的ではなく、一時的に親族や知人に会いに来る場合や、仕事の都合上短期間日本に滞在する必要がある場合に取得するビザです。その為、最長でも90日間しか許可されません。
短期滞在ビザは更新することは出来ないので、在留期限が来たら必ず帰国する必要があります。
また、1年間で許可される日数も上限があるので、90日間の許可を年に何回も申請するということも出来ません。
では、90日以上日本に在留したい場合はどうでしょうか。
実は、現在の法律では親を長期間日本に呼ぶためのビザ(在留資格)はありません。一定の条件を満たせば、必要な書類を集めれば日本に呼んで一緒に生活出来る、というものではないのです。
例外的に、高度専門職のビザで在留している方の親の入国が認められることがあります。これは、高度専門職外国人に対する優遇措置の一つです。
しかし、これも誰でも認める訳ではなく、高度専門職外国人の7歳未満の子を養育する為や、妊娠中の高度専門職外国人本人やその配偶者の家事手伝いをする為でないと認められません。実際はもっと細かく要件が決められていますので、高度専門職外国人の方は確認のうえ申請しましょう。
親を日本に呼ぶための方法
該当するビザがないということは、長期間にわたって日本に親を呼ぶことは出来ないのでしょうか。
結論から言ってしまうと、方法がない訳ではありません。まずは、短期滞在ビザで親を呼び寄せ、その後、特定活動ビザに変更することで、日本で生活できる可能性があります。
しかし、この特定活動ビザは人道的配慮による救済措置として認められるもの(告知外特定活動)であり、審査も厳しく行われます。申請をしても、不許可になる可能性は高いです。
基本的には、親を日本に呼ぶためのビザはない、だけど、特別に認められる場合もある、と考える必要があります。
親を呼び寄せる場合のポイント
親を日本に呼び寄せる場合の特定活動ビザを、「連れ親ビザ」「老親扶養ビザ」と言ったりします。
このビザを取得する際のポイントを紹介します。
短期滞在ビザで入国してから、特定活動ビザへの変更する!
既に説明した通り、特定活動ビザを取得してから日本に入国することは出来ませんので、まずは短期滞在ビザの取得を目指すことになります。
短期滞在ビザで入国した後、地方出入国在留管理局に特定活動ビザへの変更許可申請をする流れになります。
★短期滞在ビザについてはこちらの記事も参考にしてください。
→90日以内の滞在の場合~短期滞在ビザについて解説!
親の年齢が高齢であること!
親の年齢が高齢でないと、扶養される必要がないとされて不許可となります。70歳以上というのが一つの目安になります。
70歳以下であっても、人道上の特別な配慮が必要であると認められれば許可されることもありますが、あまりに若い場合は不許可の可能性が高いでしょう。
本国に親の身寄りがいない!
親が高齢であっても、本国に身寄りがいる場合は日本に呼び寄せる必要はないとして不許可になる可能性が高いです。
例えば、日本にいる子の兄弟姉妹が本国にいて、世話をすることが出来る場合や、配偶者がまだ元気で一緒に暮らしている場合などは難しいでしょう。
日本にいる子に親を扶養する経済力がある!
日本にいる子は、呼び寄せる親の扶養者ということになります。その為、十分な経済力がないと不許可となってしまいます。
もしも日本に親を呼び寄せた後、生活保護を受けるようになってしまっては困るからです。
一定の収入があり、安定した生活基盤があることを証明しなくてはなりません。
本国の親の呼び寄せは難易度が高い
老親扶養の特定活動ビザを申請した場合、許可されるか不許可になるかは個別判断です。
そのため、上記のポイントを全てクリアしたとしても、必ず許可になる訳ではありません。
高齢の親の面倒をみてくれる人が本国にはおらず、日本にいる子が扶養しないと生活が難しい…そのための経済力は十分ある…ということを丁寧に説明し、それを客観的に証明する事の出来る資料も提出しなくてはいけません。
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北野早紀行政書士事務所
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